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23 2006

残骸


宛てもなく彷徨い何を求める




眠らない街。
その中を動き回る影たち。
そのスキマを縫うように、おぼつかない足取りの影が行く。

12月

クリスマスカラーに彩られた灯りとは反対に、包む空はいつでも果てのない闇色をしている。

「さむ・・・・ぃ、なぁ・・・・・・」

冷たいコンクリートの町並みに、その声は冷たく返された。
そのまま宛てもなくうろつくのは本意ではなく。
本来帰るべき当てもない。
否、当てがないわけではない。

「寝てるんだろうなぁ・・・・・馬鹿ヤロウ。」

その当て先の主人。
先ほどから携帯電話を鳴らしてみるも返事はない。
そもそも、合鍵があるのだが彼女個人のこだわりとして連絡もなしに上がり込む事はしない。

「ぅ"〜ん。公園で寝るは自殺行為。」

履き古したスニーカーは凍えたアスファルトを蹴った。
相変わらず眩しい街の中、人を避けつつ進んで。
かれこれ30分ほど歩けば、静かな住宅街。
アパートの出窓からクリスマスツリーだろうか、明かりが点滅している。
ただ静かな闇に浮かんでいた。
目的地まであと少し。




とある一角のマンション。
ふとしたことで知り合った男の自宅。
灯りもついていないので、静かに合鍵を使う。

「寝てるよね〜・・・・・・って留守だし。」

しかし、主人の靴はなく。
それならば、と再び鍵を閉めあがり込む。
やはり、室内はどこかひんやりとしていた。
黒と金属パイプの家具は、寒い部屋を必要以上に寒くしていた。

「どっちにしても寒いし・・・・もう寝よ。」

勝手知ったる人の家。
そそくさと上着を脱いで寝室へ向い、そのまま潜りこんだ。

「こんな時間に何処行ってるんだよ・・・・・・」

呟きを沈黙と闇が包んだ。





****


主人が帰って来たのはそれから1時間も経った頃。
日付はとうに変わっている。

「さむぃ。」

手元にはコンビニの袋。
中には色とりどりの缶が詰まっていた。

「あ〜・・・こんな寒いのにアイツは帰ってないんだろうな。」

・・・ったく何処に居るのやら、と毒ついて玄関を開ければボロボロのスニーカー。

「・・・なんだ、来てたのか。」

思い出してみれば、彼の携帯はカバンの底で眠っている。
リビングに転がるソレの底には案の定、着歴が。
何だか申し訳ない気持ちになった。
リビングは寒かった。
とりあえず、コンビニで買ってきた缶の一部を冷蔵庫へ。
ただでさえ寒いので飲む分以外は袋ごと突っ込んだ。
とりあえず1本は呑む。

「やっぱ寒い。」

アルコールが入ったとはいえ、寒さに酔いはまわる筈なく。
とりあえず寝たかったのだが、一足先に熟睡しているであろう子猫を起こすのは忍びなかった。

「まぁ、風呂行くか。」

冷えきった身体は如何にかしたかった。




風呂から上がって先程と比べれば随分と温まった。
温い身体とアルコール。
どうやら眠りの条件は整ったらしい。
だんだんと重くなる瞼を擦りつつ、寝室へ向かえば案の定の先客。
完全に寝ているらしく、布団をめくっても目を覚ます気配はない。
彼はモゾモゾと潜りこむと、丸まって眠る彼女を抱え込んだ。

「やっぱ、子供のほうが暖かいんだなぁ・・・」

思ってもいないことを呟いてみたが聞いていたのは暗闇だけだった。

















しばらくして。
かすかに衣擦れの音がした。



















心に安らぎとぬくもりを

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19:51 | Comment [0] | ときどきの【双子】

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